1983というバンドのリリースが決まりました。

森は生きている『グッド・ナイト』ツアー、無事に終わりました。各地で実験を続けてきて、これはあかん!って瞬間、イケたぜ!って瞬間、色々ありました。世界はbitとbyteで語れるほど単純ではなく、とても複雑で豊かなんだ(…なのに、なぜ)、などと当たり前のことを昔からずっと考えてきて、そのために大学に通ったりして、でも何も分からなくて。20代の最後にそれに近い問いをこのバンドで実験できることを、感慨深く思います。一人では難しいことだから。30代になっても問いはずっと続くのでしょうが。次のライブは5月です。 “1983というバンドのリリースが決まりました。” の続きを読む

ハッピー・トラウムのジャパン・ツアー

まずは、森は生きているの札幌公演が中止になってしまった件、ご迷惑お掛けして申し訳ありません。
搭乗予定の飛行機が降雪の影響で欠航になってしまい、代替の交通手段を当たってみたもののこちらも全滅で、残念な結果となってしまいました。
振替公演が実現できるよう、スタッフの皆様が全力を尽くしてくださっております。感謝。祈ります。 “ハッピー・トラウムのジャパン・ツアー” の続きを読む

’15喫茶SMILE新年会の思い出

去年の秋ごろから、渋谷・宇田川町にある「喫茶SMILE」というお店でDJをやっています…とは言っても、所謂「パーリーピーポー」なDJではなく、良質なBGMを提供するというわけでもなく。もっと主張の激しい、レコード好きが自分の好きな音楽を持ち寄ってただただ聴かせ合うという、地獄のような会に参加しています。 “’15喫茶SMILE新年会の思い出” の続きを読む

2014.9.29(mon.)DJ@喫茶SMILE

9/29(月)渋谷の喫茶SMILEで久しぶりにDjやりました。
1970〜74のSSWをルールに、ということだったのですが、時折はみ出しております(笑)
共演の皆さま全員アナログオンリーで、かなり良質な時間でございました…多幸感…

曲目をメモしておきます。20分ずつ2セットでした。

Set 1

Sandy Denny “Late November”

前の曲がカーティス・メイフィールドのゴキゲンなナンバーだったので、この曲で場を凍ってしまいました…
サンディはもちろん、リチャード・トンプソンのギターが最高!
こちらのピアノ弾き語り動画、定期的に観てしまいます。

 

Roger Morris “Golightly’s Almanac”

僕はこの盤とアーニー・グレアムテネント=モリソンをUKスワンプSSW三種の神器と呼んでいます。ジャケも似てるし…
ヘロヘロで青い声のボーカル。なんか惜しいんだけど、なんかいいよね。

 

Oily Rags “Time To Kill”
チャス&デイブの前身で、もっとシンプルで、もっと泥臭い!
敢えてザ・バンドのカバーを選んでしまったけど、オリジナルの方が良かったかな。

 

Lennie McDonald “Summer’s Gonna Come”
Set1の中でも1、2を争う高額レコ!
これは韓国レーベルからの再発CDを今は亡きフラップノーツでジャケ買いし、
あまりに良内容なのでアナログを必死に探したのでした。

 

Gallagher & Lyle “Keep The Candle Burning”

某ハコのYさんに教えてもらいました。
UKスワンプで1、2を争うダサいジャケ。これが活動後期にはローラースケートになるとかならないとか

 

Heron “Harlequin 2”

70年代の田園でのフィールドレコーディングでこの感性?21世紀のシカゴ界隈みたい!

 

Larry McNeely “Mississippi Water”
グレン・キャンベルのところのバンジョー奏者が、イギリスに渡って作ったソロアルバム。
バックはアンドウェラの面々!この曲のオリジナルもアンドウェラ。
ラリー・マクナリーラリー・マーレイと勘違いする人がいっぱいいて笑いました。

 

Set 2

Dion “Sunshine Lady”

イタロアメリカン。伊達男。
元々はディオン&ザ・ベルモンツというドゥーワップグループの人だったのですが、
70年代に入るとソロで上質なSSW作品を残しています。
この人くらい歌唱技術があると、作風も内省的というよりは開かれたものになるのであまり語られないのかもしれませんが…心の名盤です。
余談ですがディオンと別れたベルモンツも最高ですよ!

 

Maury Muehleisen “A Song I Heard”


ジム・クロウチの相棒で、彼と一緒に「アメリカン・パイ」してしまった悲劇のギタリスト、唯一のソロ作。
アコースティックギターを中心に構成されていて、アシッドフォークとしても聴けるような一枚。オススメです。

 

Bob Lind “Not That I Would Want Her Back”
ジャック・ニッチェとの仕事で有名だったり大名曲のソングライターだったりするんですが、ちょっと人気に陰りが出てきた1971年作がフォークロックの良作なのです!ちょっと不思議な曲構成に、ピアノやホーンが華を添えていて…長年の愛聴盤です。

 

Dan Penn “Nobody’s Fool”

説明不要ですよね。この中で一番高いレコードです(笑)せっかくなら7inch持っていけばよかった。

 

John Kay “Moonshine (Friend Of Mine)”

ワイルドにいこう!ことステッペンウルフのボーカルのソロ作。これがなんと、びっくりするくらい良質なスワンプなのでした…

 

Marc Benno “Franny”

これ、オリジナル盤を自慢するためだけに持っていったら皆聴きたがって…

 

Barbara Keith “Detroit or Buffalo”

元々ジョン・ホールらと「カンガルー」というバンドを組んでいて、これがソロ二作目。「あなたがデトロイトにいようとバッファローにいようと関係ないわ」で始まる曲はもちろん、バックの面々が最高でして、スニーキー・ピートとローウェル・ジョージのバトルなんてこの曲でしか聴けないんじゃないか(笑)

 

The Floating House Band “Livin’ Like There’s No Tomorrow”

これはリーダーの持ちネタなので気が引けるのですが(笑)、こっそりかけちゃいました。ストーンポニーズのメンバーだったボビー・キンメルやシェップ・クック、そしてキット・オルダーソンの三人組。

 

喫茶SMILE、ご飯も美味しくて過ごしやすい素敵なお店です。
次回もテーマを変えて開催されるようです。参加できるといいな。またお知らせします。

AND HIS PIANO

レコード棚を整理していたら、買ったことさえ忘れていたランディ・エデルマンのセルフカバーアルバムが出てきました。

andhispiano

自身の曲をピアノ弾き語りで歌うのですが、これがもう最高で…朴訥としたボーカルがまさしく映画の主人公を想起させるような哀愁に満ちていて、ある意味ではSSWの名盤のような雰囲気が漂います。何よりピアノのテクニックが聴きどころ。映画音楽を手がけているだけあって、ピアノ一本でも素晴らしいオーケストレーション。

ランディ・エデルマンのような、元々は音楽出版社付の職業作家で、それから自分でもアルバムを出して、月日を経てこの”AND HIS PIANO”のように、ピアノ弾き語りでセルフカバーする、というアルバム、名盤揃いなのです。

ジミー・ウェッブの”TEN EASY PIECES”がそのハシリだったのではないでしょうか。

「恋はフェニックス」「マッカーサー・パーク」といった名曲を弾き語り主体でカバーしています。中でも「月はいじわる」は名だたる歌手が歌い継いできたスタンダードですが、このセルフカバーが一番染みる。

で、ジミー・ウェッブのこの盤を聴いてか聴かずか、バリー・マンも4年後に同じようなコンセプトのアルバムを制作しています。こちらも最高!

バリー・マンの曲の良いところは、奥さんのシンシア・ワイルとの共作だからか、どことなく希望に満ち溢れているのです。元気が出ます。

この3枚をもってして、ピアノ作曲家系セルフカバー盤御三家、とでも名付けましょうか。語呂が悪いかな。この類の盤、他にもオススメがあったら是非教えて下さい。

レコード棚の整理から、やっぱり自分の根っこはピアノにあるな、と実感した夜でした。