AND HIS PIANO

レコード棚を整理していたら、買ったことさえ忘れていたランディ・エデルマンのセルフカバーアルバムが出てきました。

andhispiano

自身の曲をピアノ弾き語りで歌うのですが、これがもう最高で…朴訥としたボーカルがまさしく映画の主人公を想起させるような哀愁に満ちていて、ある意味ではSSWの名盤のような雰囲気が漂います。何よりピアノのテクニックが聴きどころ。映画音楽を手がけているだけあって、ピアノ一本でも素晴らしいオーケストレーション。

ランディ・エデルマンのような、元々は音楽出版社付の職業作家で、それから自分でもアルバムを出して、月日を経てこの”AND HIS PIANO”のように、ピアノ弾き語りでセルフカバーする、というアルバム、名盤揃いなのです。

ジミー・ウェッブの”TEN EASY PIECES”がそのハシリだったのではないでしょうか。

「恋はフェニックス」「マッカーサー・パーク」といった名曲を弾き語り主体でカバーしています。中でも「月はいじわる」は名だたる歌手が歌い継いできたスタンダードですが、このセルフカバーが一番染みる。

で、ジミー・ウェッブのこの盤を聴いてか聴かずか、バリー・マンも4年後に同じようなコンセプトのアルバムを制作しています。こちらも最高!

バリー・マンの曲の良いところは、奥さんのシンシア・ワイルとの共作だからか、どことなく希望に満ち溢れているのです。元気が出ます。

この3枚をもってして、ピアノ作曲家系セルフカバー盤御三家、とでも名付けましょうか。語呂が悪いかな。この類の盤、他にもオススメがあったら是非教えて下さい。

レコード棚の整理から、やっぱり自分の根っこはピアノにあるな、と実感した夜でした。